転職する気持ち
転職を考えるにあたってみんないろいろな不満があったのだろう。
現職にポジティブな面だけしかないのであれば転職などする必要はないだろうし、
口には出さないだけで何かしらの問題があるのだ。私の考える問題は
会社が営業に嘘をつかせているから
である。
私のしている仕事は10人ほどのスタッフをまとめる仕事だ。
職務内容は営業、購買、物流。それぞれのセクター実務をこなすシーンもあるが主にマネージメントが職務だ。
こちらのスタッフはみんな人も能力もよく、こちらだけで何かを検討し達成させるのは問題がない。
私の彼らに対する仕事の満足度は高く、上司にはみんなよくやっていると報告する。
そして彼らに対する私の感謝の念は言葉にはしつくせないものがある。私が赴任直後で痔をやらかしてしまった時には、ある営業マンが自慢のBMWで病院まで運んでくれたし、一緒に付き添ってくれたのだ。
なんとなく馴染めない私をことあるごとに食事に誘ってくれて打ち解けるきっかけを作ってくれた人もいた。
私は私が一人で仕事をしなけらばならないと思っていたが、私の仕事はあくまで「みんなと協調しながらみんなに仕事をうまくしてもらうために考えること」であり、私は大きな勘違いをしていたと教えてくれたのは彼らの行動だった。
だから私は学ぼうと思えた。私を一人前の「マネージャー」にしてくれたのは彼らなのだ。一緒にこの仕事を取っていこう!この問題を解決しよう!調達コストを抑えられたら皆にドーナツ買ってきてあげる!
などなどいろんなことを言ってきた。
みんながやる気を出して、日々楽しく仕事に打ち込んでくれることが私の目指すあるべき姿である。私個人にできることは限られている。私はみんなのサポーターだ。
1年前まではそんな風にして仕事をしてきた。
だけど私は知っている。私の会社は顧客にウソをついていることを。
私の業界では顧客にウソをつくことは全く許容できないことだ。三菱自動車の排ガス虚偽があったが、あのレベルのウソがたくさんあるのだ。私はこのウソがどうしても納得できない。
そして同時に知っているのは、このウソがしょうがないことであることだ。
もうこの会社ではウソがありすぎてどのレベルのウソなら許容され、どのレベルのウソなら許容されないのか、そしてどの部分までは顧客まで開示可能なのか。
正直に言ってもう何を根拠にウソをつき、そして今までどういったウソをついてきたのかわからなくなっている。
このストレスは異常だ。品質管理部門など私の勤めている会社では精神を病むのではないだろうか。どういったメンタルでそんなウソを平気でついているのか、
「お!うまい言い訳を考えたもんだね!」と私はレポートを見るときに思うものだが、その言い訳で顧客はずっとウソを信じ続けそして結果問題が再発した場合には「おかしいですねえ。お客様の工程でこんな因子が見つかりましたよ」などと言って客のせいにするのだ。
私はそのウソの片棒を担いできた。日本で仕事をしている時からずっとだ。
その時は私は気持ち悪くなりながらも、顧客よりも工場側に心が近かったため問題はなかった。
だが、私は今、心が工場から顧客に移っている。
そしてなによりも大好きな部下たちにウソの片棒を担がせているのが嫌で嫌でたまらないのだ。
だから私は転職を考えている。
もっと自分の売る製品にウソがなく、心から信頼でき、もし顧客からクレームが来ても「そんなことはない!」と言えるくらい自信を持ちたいものだ。
今は年に10件以内くらいのクレーム対応に当たっているが毎回顧客の言うことに「そうだよなあ~」と言ったり、部下からの言葉に「そうなんだよね~」と言ったりするのにほとほと疲弊し、そして品管からのお粗末な回答に「おめぇふざけんなよ!またかよ!」と言ったりするのには嫌気がさした。
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以上が会社に対する気持ちだが文字に起こすと本当にどうしようもない会社だと思う。
私の給料が30歳にしては700万程度と高いこと以外は何の魅力も感じない。
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転職活動をするにあたって理由を文字に起こしておくことを薦められたので
それ以外の理由も書いておく
① 販売している製品に自信が持てない
・ 顧客にウソをつかせて個人的な信頼を失墜させる
・ 部下にウソをつかせるのが心苦しい
・ 品管部門のバックアップが弱い
・ 製品群の将来性を感じない
② もっと熱い気持ちで取り組める仕事がしたい
・ 製品の将来性に期待をもちたい
・ 製品単価の高い製品で企業の上層部とBiz.をしたい
③ 待遇面での問題
・ 家庭の問題で日本国内勤務が良い(外資系日本法人?)
・ でもそこそこ給料が欲しい→東京なら40で1,000万
私がいろいろな人のアドバイスを聞いているに、
転職をする(就職活動をする)時に考えなければならないのは「生きる目的」である。
私のよく知る友人が転職を決めたが、その理由は「世界を変えたいから」だそうだ。
こんなこと本気で考えられるなんてすごいと思うんだ。でも大事な人生の時間の1/3を費やすんだ。起きている時間の半分以上だ。
そのくらいのことを考えないともったいないんじゃないか。