32歳になる人の日記

株。駐在員苦労話。外資企業への転職、ままならない子供時代の思い出

女性Yさんの婚活

この間日本に出張した際に本社の休憩室でYさんと会った。

Yさんは35歳前後で未婚、おたふくみたいな顔をしていて、それから化粧をほとんどしておらず、少しハゲている女性だ。

私が連れていたタイスタッフに自動販売機で何か飲み物をオゴろうと説明していたところにYさんは通りかかり、「あ!もしかして今タイ語を話していましたか!?」などと話しかけてきた。

午後の予定も押していたので、とくに何事も話すつもりもなかった私は適当に挨拶を交わし、その場を後にした。私がタイ語を話していたことについて「すごいですね!」と言いたかったらしいのだけれど、正直ぜんぜん話せないので褒められても微妙な気持ちである。(人は自分の能力を正当に評価されたうえで褒めてほしい)

 

その翌日の土曜日、本社側の担当窓口の女性(D先輩)と一緒にタイ人の観光案内をしていた際に、D先輩はYさんと仲が良いが心配なことがあるのだと言ってきた。

それはズバリYさんが結婚できないことである。

以前、Yさんは結婚相談所に登録し、出会った男性がいる。その際出会った男性は日本を代表する総合商社に勤務しており、コミュニケーションにも問題がないような男性だったらしい。それだけならなんていう理想的な存在なのか!と言いたくなるのだが、ただ一つ問題があり「容姿が極めて悪い」ということだった。つまり金はあるがデブでハゲだったらしい。それ以外にもNGとした理由として「僕には収入がたくさんあるので仕事はしなくてもいいです」と言ってきたこともあるらしい。

Yさん曰く「仕事をしている私を好きになってほしい!」と言っているらしく、そんな、おみあい程度で仕事をしている姿なんて見えないし、そういった条件の折り合わない部分やデブは話し合いでなんとかしようがあるので、とりあえず内面が合わないというのでなければ付き合ってみれば?とDさんは思ったそうだが(私も同感だが)、結局のところお断り案件となったそうな。

また、別の日にはYさんは会社の後輩とプライベートな話をした際にどうやらその後輩はYさんに対して個人的な関心を持っていると勘違いしたそうで、Yさんはその後輩を食事に誘ったりなど精力的な活動をした結果、その後輩は残像を見せるほどの速度でフェードアウトしていったそうだ。

そういったもろもろの報われない状況を背景にして、D先輩は私に男性側の率直な意見を求めてきた。婚活市場では男性から好意を受ける基準は何なのか。誠実さをモットーとしている私は瞬間的に正直に答えた。「若さと顔でしょ」と。

「それでは」と、D先輩は「26歳の容姿が普通の女性と、33歳の容姿が優れた女性はどちらが婚活市場ではモテるか」という質問をしてきた。これは男性側が何を重要に思うかによると思われるが、基本的にこれは婚活のシステムの問題だ。婚活のシステムではいろいろな条件でソートすることができる。まずは年齢で男性側がソートするとき「29歳以下」という条件があるとしたら33歳の女性はどんなに容姿が優れていようと写真を見られることはないので、残念ながら件数としては26歳の女性の方が増えるだろう。そして若さというのはそれだけで基本的には美しい。結果別にふつうの容姿だとしても年齢的に若いのであれば若いだけですでに強い。大体の男性はふつうの容姿の女性はOKだ。

 

結局のところ30中盤になった女性はなかなか年収も高いし、相手に求めるSpecも年齢の分だけ高くなる。なぜなら社会経験が豊富だから。でもそれだけの社会経験をもった男性は大体結婚している。女性側が結婚していない男性だけをn数にして、その平均値をとって、平均的な能力を見ればいいものを、実際には結婚している男性もn数に入れてしまうから(結婚すると女性に対する気遣いのスキルが上昇する。毎日家で女性と過ごしているからね)平均値が全く世の未婚男性のソレとは乖離している。

Yさんもそのあたりのことが見えていないから求めるレベルは非常に高いものとなってしまう。よく考えろ、あなたが「いいな」と思った男性は大体既婚者か年下ですぐにでも結婚できる常識のある男性だぞ。

 

D先輩がYさんと話していたらYさんは「アイススケートの羽生君みたいな人がいい!」だとか言っているらしい。うんうん。かっこいいですよね羽生さん。だって手足が長いし色白で王子様みたいですよね。ただ、私は心の中で「いやでもその容姿じゃ無理でしょ」と思い、D先輩も女性なので私も答えに窮していたところD先輩が「私は鏡を見ろと言いたい!」と先に熱弁してくれて助かった。でも私には根本的には顔の問題だけではないと思うとコメントしていおいた。

実は女性の顔というのは大体の人がかわいい。だいたいの人は精神状態が悪かったり、表情が暗かったりなどするので実際の顔よりも悪くなっている。私が実は家に帰ってからグチばかり言っていることを変えたいと思い職を変えることの理由としては顔が悪くなるということも原因の一つだ。そのくらい使う言葉や気持ちなどで顔は変わる。むくむし、口角が下がる。

 

男性は女性の顔の何に魅力を感じるかと言えば実は天真爛漫さだといわれている。私もできれば天真爛漫な女性と一緒にいたいと思う。そして賢い女性は天真爛漫さを装う術を持っている。もしYさんが結婚したい、男性から魅力的だと思ってほしいということであれば、仕事がデキるだなんて自己肯定感の一部にするのではなく、相手の需要を読み取って自分に足りないところを補う、変化させるくらいのことをしてはどうなのかと思う。