32歳になる人の日記

株。駐在員苦労話。外資企業への転職、ままならない子供時代の思い出

転職日記2(アプトプットにより意思を固める)

転職をしたことがない人は知らない。自分の会社のどういったポイントが異常なのか。

契約を交わしている以上、常識であるが契約を履行する必要がある。しかし私の勤務している会社には常識がないみたいだ。

 

私の勤務する会社は広大な敷地に工場を持っているが、その工場に毎年現地スタッフを連れていく。そのたびに「あ、またレイアウト変わっている」ということを思う。そうなのである。弊社はレイアウトを変えたり、製造設備を変えたり、なんなら全自動化したりなど先進的な変更を行っているが、実はそれらを顧客に通知したことはない。もし契約を取り交わしていたとしてもだ。

顧客に通知するのはパッケージングだったり、バレるところだけである。このことに気づいた時には「あれ?自分の勘違いかな」とさえ思った。しかし今年も工場の工程は変わっていた。へえ!なるほど!全自動で製造!?すごい!ところでそれお客さんに通知しましたっけ?へー知らなかったなあ!!お?生産管理にAI取り入れているんですかー!すごいですね~(転職しよ・・・)

最近考えていたことの一つに「生きる目的」というものがある。要は自分が死ぬときに「これのために生きたな」というようなことを思ったりする目的物である。私にはこういったものはなかった。なんとなく目の前の仕事を処理して、世間の常識なんかにのっとって行動してきた。

でも「そうではいけないのだ」と思ったのは今の会社に疑問を持ち始めてからだ。

まず同期のホープが辞めた。後輩が辞めた。先輩が辞めた。一緒に仕事をした他部門の課長、係長が辞めた。みんなに辞めた理由を聞いたわけではない。でもわかる、うちの会社は従業員を大切にしているなんて言うけど、大切にされていないんだって。みんな家畜みたいなものだ。なあなあで仕事をさせてもらえる代わりに生きている間の大事な時間を無限にうばわれて、自分が成長できないことを他人のせいにして、会社の待遇や体質に文句を垂れるくせに辞めたりしない、だから会社からの報酬自体もなあなあのままで何も変わらない。まるで飼い主から毎日餌をもらって死ぬだけの存在。そんなままで歳を取るのかと考えるとゾっとする。僕らは家畜だからごちゃごちゃ小難しいことを考える必要もない。鳴けば餌を与えられる。私の場合は突然給料が4万円増えた。マジかと思った。周りの人に聞いても「え?お前だけ?」と言われる。なんとなく特別扱いされている気がした。でも転職活動を始めて気が付いてしまった。4万円上がったところで私の年収は私の経歴でもらえる額の100万ほど低かった。これには私もびっくりした。

この世間から比べても100万低い私の年収が、私が家畜で居続けることを選択することへの罰であるかと言われれば、そうだなと私は思う。この100万低い額は私が甘んじているからこそであり、これは私を転職から逃げ場のないものへと突き動かす客観的な材料だった。

主観的な材料としては私の生きる目的探しである。私は何のために死ぬのか。60歳を過ぎた父が定年後の再雇用制度で働きつつ日中はダラダラと過ごしている姿を見ると、こんな大人にはなるべきではない(というかつまらない)と思った。

私は自分とは全く正反対の性格である妻と付き合いだして、結婚して、そして一緒に生きるようになって沢山の面で変わることができた。

変わることが出来るというのは変わった後に自分を褒めることができるほどに素晴らしいものだ。変わった後にしかわからないけれど、自分は愚かだったということが分るようになったのだ。例えば登山に例えられるかもしれない。山というのは上るまでは自分が一体どの程度の高さにいて、どういう山を登っているのかさえも分からない。でも上りたいと思うんだ。なぜかわからないけど。上った後に自分の今まで居たところを見たり、道のりを思い返してみる。そして周りにあるもっと高い山を見る。上らないとわからない景色だったことを知る。自分が変わるというのはそういうことに近い気がする。

私は何のために生きているのか、そして何のために死ぬのか。半年ほど考えているけれど今の自分にはわからないということがなんとなくわかった。だけど、生き方だけは分かってきた。

私は人に対して誠実でありたい。ウソを言いたくない。偽りたくないのだ。人に感謝されるだけではなくて生涯を通して信頼しあえる人でありたい。「あの人だったら」と全幅の信頼を寄せられるような存在になりたい。

自分の生き方と照らして今の会社はどうだろう。どんなに仲の良い顧客が居ようと、どんなによっぱらっていようと、私には会社のために言えないことが山ほどある。これはつらいことなんだ。「いいですよ値段下げますよ!」なんていうもんじゃない。工程上のウソなんて驚くべきことだ。みんなの命を預かっているのにも関わらずである。

 

いろんな不満がある。顧客にウソを恒常的についていること、収入が低いこと、コンプライアンス上の問題。でも結局変えないのだったら自分が変わるしかない。